2016年4月発売とやや古い模試問題集ですが、三修社「新形式対応 TOEIC TEST 完全予想模試」を解いてみたので、結果と感想を記載します。
ちなみにこの本、Amazonのカスタマーレビュー評価では5つ星中2.8(記事作成時)と、イマイチ評判が良くありません。その理由についても、解きながら探ってみたいと思います。
【参考】私のTOEICスコア
私は2017年7月に公開テストで910点を取得、2018年7月のIPテストでは865点という結果でした。大体900点ぐらいの実力だとみなしてもらえればと思います。

だいたい900点ぐらいの実力です。
「新形式対応 TOEIC TEST 完全予想模試」の特徴
模試の結果を発表する前に、この本の収録内容を紹介します。TOEIC模試が2回分収録されているほか、いくつかの学習に役立つコンテンツが含まれています。
人気講師による新形式TOEIC対策コラム
- 神崎正哉氏による「模試の活用法」
- 早川幸治氏による「新形式TOEICの肝」
- 小川克明氏による「パート別攻略法」
3人の有名TOEIC講師による解説が収録されています。特にパート別解説は詳しく記載されていて、本書の10ページから86ページまでとボリュームも多いです。
TOEIC受験のイロハやテクニックを知りたい初心者~中級者は参考になると思います。
弱点分析サイト
模試を解いた後「弱点分析サイト」に解答を入力することで、予想スコアレンジや苦手分野を分析できます。また、本書には音声CDが2枚付属していますが、サイトからでも音声のダウンロードが可能です。
ちなみに弱点分析サイトの利用には、メールアドレスの登録が必要です。分析結果はメールにも転送できます。
解いてみた結果・点数
以下は私が解いた結果です。ちなみに、予想スコアは「弱点分析サイト」で出された数字です。
模試1回目
素点 | 予想スコア | |
Listening | 77 | 330-420点 |
Reading | 85 | 350-430点 |
TOTAL | 162 | 650-850点 |
詳細は後述しますが、問題の形式がTOEICとずいぶん異なるので、特にリスニングで失点を重ねてしまいました。
模試2回目
素点 | 予想スコア | |
Listening | 89 | 400-475点 |
Reading | 81 | 350-430点 |
TOTAL | 170 | 750-905点 |
2回目は、この模試本の出題形式に若干慣れることができたのか、本番とほぼ同レベルの点数を取ることができました。
解いてみた感想
TOEICらしくない問題が多い
アマゾンでのカスタマーレビューにおいて、この模試本の評判があまり良くない原因がコレだと思います。「完全予想模試」と名付けられていますが、TOEICの問題の雰囲気とだいぶ異なります。
本の最初には、編者のコメントで「著作権を侵害しないような配慮をしているため、実際のTOEICと比べて違和感を感じるかもしれません」と記載されています。
なんだかよく分かりませんが、この本は「完全予想模試」というタイトルが付けられていながら、問題はTOEICに似ていないという、なんとも不思議な問題集なのであります。
具体的に気になったところ
リスニングセクションのPart1・2については特に違和感を感じませんでした。しかし、Part3・4の問題は本番(公式)とは大きく異なっています。
- 公式より細かいところや、違うポイントが問われる。
- リスニングなのに、じっくり選択肢を読まないと解けない問題がある。
- ひっかけ問題のようなものも登場する。
- 図表問題が最後でなく、パートの途中に出てくる。
また、リーディング試験もけっこう個性的な文章・問題になっていて、特にPart7が特徴的です。
- チャット問題がカジュアルすぎる。ジョーク等がTOEICらしくない。
- TOEICには登場しないネガティブな文章(災害や強い批判記事)がある。
- 日本の場所や名前が多く登場する。
- ふざけている(ユーモアのある)ような問題や、なぞなぞのようなものもある。
というわけで、TOEIC本番や公式問題集とはあまり似ていません。本番形式に慣れることを第一の目的に、問題集の購入を検討している人は、この本は選ばない方がよいでしょう。
この本の良いところ
ここまでは、なぜこの本の評価がイマイチ高くないのかを考えてきました。しかし実際に使ってみて、良い部分も見つけることができました。ここからは、この本の良いところを紹介します。
英語のテスト問題としては面白い
TOEICの予行演習用だと考えると、本番と似ていないため違和感を感じるのですが、テスト問題自体は結構面白いとも言えます。
単純に英語の実力を測ってみたいという方は、この本でも用が足りるかもしれません。
TOEIC対策のコラム・付録が充実している
前述しましたが、TOEIC対策の有名講師による解説や「弱点分析サイト」など、2回分の模試以外にも勉強に役立つコンテンツが収録されています。解説をしっかり読み込めば、勉強になることも多いです。
予想スコアはほぼ正確に判定される
問題自体には違和感を感じましたが、結果として出された予想スコアレンジは、ほぼ実力どおりの点数でした。
そのため「TOEICを受けたらどのくらいの点数が取れるのか?」という判定は、この模試本でも可能だと言えます。
Amazonでの中古価格が激安
低評価が関連しているのか、アマゾンでの中古価格がとても安く、数百円で購入できます。(時事作成時)
問題がTOEICらしくないという欠点に目をつぶることができれば、「格安でTOEIC対策学習と模試2回ができる」と考えることもできます。